知らないと大変!親が認知症になると銀行口座は凍結される!

「親の介護費用は、親のお金でまかなおう」

そのように考えていても、親が認知症になると銀行口座が凍結され、親の介護なのに親のお金が使えない状況になってしまうこともあります。

思わぬトラブルを避けるためにも、親が認知症になると財産管理にどのような影響を及ぼすのかを、しっかりと理解しておくことが大切です。

認知症700万人時代の到来へ

認知症患者の増加近年、認知症を発症する高齢者が増え続けています。これに関して、いくつか数値を挙げてお話ししていきたいと思います。

総務省の発表によると、2012年9月現在の推計で、65歳以上の高齢者人口は3,079万人であり、日本の総人口に占める割合は24.1%(※2017年9月現在の推計では3,514万人、割合は過去最高の27.7%)ということでした。

つまり、国民の4人に1人が65歳以上という、超高齢社会であることを表しています。

そして、厚生労働省の発表によると、65歳以上の高齢者のうち、2012年時点における認知症患者数は約462万人と推計されています。また、MCI(軽度認知障害)をもつ高齢者も約400万人と推計されるとのことでした。

MCI(軽度認知障害)とは
認知症まではいかないが正常ともいえない、認知症の一歩手前の状態のことをいいます。これを放置していると、数年後に認知症に移行する可能性が高いとされています。

したがって、認知症患者とその予備軍を合わせると、約862万人にも上ることになります。

さらに、2025年には認知症患者の数が700万人を超えるとの推計値も発表されています。これは、65歳以上の高齢者のうち、実に5人に1人が認知症を発症する計算となります。

このような数値からも、認知症高齢者の増加は、深刻な問題になりつつあることがおわかりいただけるかと思います。

親が認知症になると、銀行口座は凍結される

認知症高齢者の財産管理

親の介護なのに、親のお金が使えない!

それでは高齢者が認知症になると、どのような問題が生じるのでしょうか。

超高齢社会においては、私たちの親が病院に入院したり、介護施設に入所するような場面が、今後ますます増えてくるものと思われます。

それに伴い、入院費用や施設費用をどう捻出するか、という問題に直面します。この場合「親の介護費用なので、親のお金でまかなおう」と考えるのが自然な流れかと思います。

しかしながら、親が認知症になってしまうと、預金を下ろしたり、定期預金を解約することができなくなります。なぜなら、親の預金を下ろしたり、定期預金を解約するには「親の意思確認」が必要となるからです。

だから、家族が銀行窓口に行って、親の預金を下ろそうとしても、まずは「ご本人を連れてきてください」と言われてしまいます。そこで、親を銀行に連れていったとしても、十分な意思確認ができなければ、やはり預金を下ろすことはできません。

「預金を下ろせないと介護費用を払えないので…」と、いくら事情を説明しても、現在ではほとんどの銀行でルールが厳格化されていて、本人の意思確認ができない以上は、ダメなものはダメと言われてしまいます。

ひと昔前ならば、通帳とハンコさえ持っていけば、家族でも親の預金を下ろせたりもしましたが、今はそのような時代ではなくなりました。

同じように、親名義の不動産を売却して、その代金を介護費用に充てたいと考えていても、認知症によって「親の意思確認」ができなければ、売却手続きを進めることはできません。当然、家族が代理で売却手続きを行うこともできません。

このように、親が認知症になってしまうと、銀行口座や不動産は、たとえ家族でも手がつけられない凍結状態になってしまいます。「家族なら親の預金は下ろせる」ことも「銀行に事情を話せば何とかなる」こともありません。

その結果、「親の介護なのに親のお金が使えない」状況になってしまうのです。

認知症になったら、成年後見しかない!

このような場合、銀行や不動産会社、司法書士には「成年後見人をつけてください」と言われます。

認知症患者の預金を下ろしたり、不動産を売却するには、裁判所に成年後見人を選任してもらい、その成年後見人に手続きを行ってもらうしか方法がないからです。

しかしながら、成年後見人をつけてしまうと、家庭裁判所の監督下で厳しい制約がつき、柔軟な財産の利用ができなくなるなど、家族にとって必ずしも使い勝手のいいものとはいえないのが現状です。

トラブル続出!成年後見制度の7つのデメリット

2017-11-08

こういった中、成年後見制度に代わる新たな財産管理の方法として、近年、注目されているのが「家族信託」です。

家族信託とは?司法書士がわかりやすく解説しました!

2016-10-26

家族信託を利用することで、認知症による財産凍結のリスクを回避することができます。「親の介護で親のお金が使えなくなる」問題の解決策として、今後、ますます需要が高まっていくものと思われます。

まとめ

親が認知症になると銀行口座や不動産は凍結されてしまうので、親の介護で親のお金を使うことができなくなります。

このような状況では、家族が介護費用を負担するか、あるいは成年後見制度を利用するしか方法がありません。「親のお金があるから大丈夫」と油断していると、思わぬトラブルが生じることになります。

したがって、認知症によって親の財産が凍結されてしまうことを理解し、その対策を事前に準備しておくことが何より大切になってきます。




親が認知症になる前に備える!
親の介護でお金のトラブルを防ぐ「家族信託」

家族信託の仕組みを、豊富なイラストと図でわかりやすく解説!







家族信託を活用した新しい財産管理の仕組み
成年後見を使わずに、高齢者の財産を管理する方法

家族信託の基礎知識から活用事例まで、わかりやすく解説!