住宅ローンを完済した後、すみやかに抵当権抹消登記を申請しなければならない3つの理由
住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権の抹消書類が送られてきます。
その書類を使って、抵当権の抹消登記を申請することになりますが、これを放置していると、後々面倒なことが起こる可能性があります。
そこで今回は、抵当権抹消登記をすみやかに申請しなければならない3つの理由をお話しします。
理由1:登記簿に抵当権が残ったまま!
住宅ローンを完済すると、抵当権抹消登記を申請したかどうかにかかわらず、抵当権自体は消滅します。
「それなら何も問題ないのでは?」と思われがちですが、抵当権が消滅しても、それに伴って登記簿からも抵当権が消えるわけではないのです。
抵当権を登記簿から消すには、不動産を管轄する法務局に「抵当権抹消登記」を申請する必要があります。
銀行は手続きをしてくれるわけではありませんので、これを放置していると、いつまでたっても登記簿に抵当権が残ったままの状態になってしまいます。
登記簿に抵当権が残ったままの不動産では、売却や新たな借り入れなどすることができません。
理由2:必要書類を紛失するおそれがある!
住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類が交付されます。
書類の中には再発行できないものもありますので、もし書類を紛失してしまった場合、これに代わる手続きが必要となり、余計な費用や手間がかかることになります。
理由3:金融再編で手続きが複雑になるおそれがある!
金融機関は、金融再編により、合併や商号変更を繰り返しています。
金融機関が統合されたり、名称が変わったりすることによって、金融機関から交付された抹消書類が抵当権抹消登記の申請に適さなくなるおそれもあります。
その他、抵当権抹消登記の前に「抵当権移転」登記など、別の登記を申請しなければならないケースが発生することもあります。
このような場合は、手続きが大変複雑になり、ご自身で手続きを行うのは非常に困難であるといえます。
まとめ
今回は、抵当権抹消登記を速やかに申請しなければならない3つの理由をお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
抵当権抹消登記は、登記の中でも比較的容易なものであり、費用もそれほど高いものではありません。
また、場合によってはご自身で登記申請を行うことも可能であると思われます。
しかしながら、これを放置していると、手続きが複雑になりご自身では行うことが難しくなるばかりか、余計な費用が発生してしまいます。
したがって、住宅ローンを完済したら、すみやかに抵当権抹消登記を申請することをおすすめします。