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自筆証書遺言に必要となる「検認手続」って何のことですか?

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自筆証書遺言のデメリットに必ず出てくる「検認手続きが必要」。
公正証書遺言のメリットに必ず出てくる「検認手続が不要」。

しかしながら、メリットだのデメリットだの言われても、「そもそも検認手続きって何?」が正直な感想でしょう。

そこで今回は、遺言書の検認手続きについてご説明します。

目次

遺言書の検認とは?

まず、裁判所のホームページには、このような記載があります。

検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

出典:裁判所ホームページより

わかったような、わからないような内容ですが、要は「遺言書がありましたよ」ということを法定相続人全員に知らせて、あとは裁判所で遺言書の内容を記録しておくだけの手続きです。

だから、裁判所ホームページの記載にあるように、遺言書の内容を「これは有効だ」「これは無効だ」などと、ひとつひとつチェックするわけではありません。

これを聞くと「検認手続きが必要となってしまう」ことは、自筆証書遺言のデメリットではないように思えるかもしれません。

しかしながら、手続き自体の「思ったより大したことなさ」に比べて、申立書類(特に戸籍等の謄本)を準備するのが面倒だったりします。

検認手続きの申立にはどんな戸籍が必要なの?

こちらも、裁判所のホームページには、以下のような記載があります。

【共通】

1. 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

2. 相続人全員の戸籍謄本

3. 遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

【相続人が遺言者の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)(第2順位相続人)の場合】

4. 遺言者の直系尊属(相続人と同じ代及び下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合、父母と祖父))で死亡している方がいらっしゃる場合、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

【相続人が不存在の場合、遺言者の配偶者のみの場合、又は遺言者の(配偶者と)の兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第3順位相続人)の場合】

5. 遺言者の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

6. 遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

7. 遺言者の兄弟姉妹に死亡している方がいらっしゃる場合、その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

8. 代襲者としてのおいめいに死亡している方がいらっしゃる場合、そのおい又はめいの死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

出典:裁判所ホームページより

なんのこっちゃわからないと思いますが、要は「相続人関係を証明するためのすべての戸籍を出してね」ということです。

相続人関係にもよりますが、5通くらいで済むケースもあれば、軽く10通を超えてしまうこともあるので、すべての戸籍を揃えるのはなかなか大変な作業です。

これらの戸籍を苦労して揃えたら、申立書を書き、収入印紙を買い、郵便切手を買い、やっと裁判所に申立ができます。

申立先は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

申立後から検認期日当日までの流れ

その後、裁判所から検認期日(検認を行う日)の通知があり、検認期日に出席することになります。

なお、申立人は検認期日に出席する必要がありますが、申立人以外の相続人が検認期日に出席するかどうかは各人の判断に任されており、全員が集まらなくても検認手続は行われます。

検認期日当日は、申立人が遺言書の原本を提出し、出席した相続人などの立会のもと、遺言書に封がされていれば開封し、遺言書を検認します。

その後、遺言書に検認済証明書を付けてもらう手続きを行い、遺言書の検認手続きは終了となります。

不動産の名義変更や預貯金の手続きでは、検認済証明書の付された遺言書が必要となります。

まとめ

今回は、遺言書の検認手続きについてご説明しました。

なぜ、自筆証書遺言のデメリットとして「検認手続きが必要」と言われ、公正証書遺言のメリットとして「検認手続きが不要」と言われているのか、おわかりいただけましたでしょうか。

こういった手間がいらなくなることも、公正証書遺言をおすすめしている理由のひとつです。

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