家族信託をするときに、家族の同意は必要ですか?
目次
信託契約の当事者以外の同意や押印は不要
家族信託は、委託者(もともとの財産の所有者)と、受託者(信託財産の管理を行う人)との間で、信託契約を結ぶことによって開始します。
したがって、信託契約の締結に当たり、契約の当事者とはならない、委託者・受託者以外の家族の同意は必要ありません。また、契約書に押印等をする必要もありません。
信託契約の当事者
実際には、財産を持つ親(委託者)と、財産管理を任される子ども(受託者)との間の契約になることが多いです。
このほか、信託契約書に、予備的な受託者や受益者代理人、信託監督人などが記載されていたとしても、その者の同意や押印等も不要です。
信託契約の当事者以外の理解を得ておくべき
しかしながら、家族信託を始める際においては、契約の当事者以外の家族ともしっかりと話し合いを行い、理解を得るほうが望ましいといえます。
なぜなら、確かに、契約自体は委託者と受託者だけでできるのですが、家族信託をうまく機能させるには、周囲の理解や協力も必要となるからです。
受託者だけでは財産管理の判断が難しい場面も出てくるでしょうし、あらかじめ予備的な受託者を設定しておくことも、万一の備えとして大切です。
この点において、もし予備的な受託者になっていることを知らされていなかったとしたら、あるいは、そもそも家族信託をしていること自体、知らなかったとしたら、トラブルになってしまうことがあるかもしれません。
また、家族信託では、信託契約書の中に、信託が終了した際に残っていた財産の引き継ぎ先を定めておくこともできます。
この財産の引き継ぎ先についても、家族間でしっかりと話し合いをもって決めることが、円満な相続を実現させるポイントになるものと思われます。