家族信託で預金はどうやって管理するの?

受託者には、委託者から信託された財産と、自分の財産を分別して管理しなければならない義務があるため、預金は、信託専用の管理口座(信託口口座)において管理を行います。

甲野父郎さんの事例

甲野父郎の事例甲野父郎さんが、預金を息子の甲野一郎さんに信託した場合を例に見てみます。なお、信託の当事者は、以下のようになります。

  • 委託者:甲野父郎(もともとの財産の所有者)
  • 受託者:甲野一郎(信託された財産の管理を行う人)
  • 受益者:甲野父郎(信託された財産の使い道となる人)
事例の詳しい内容は、下記をご覧ください。

認知症高齢者の財産を、成年後見を使わずに家族が管理する方法とは?

2017-12-18

家族信託した預金の管理について

信託専用の口座で管理する

預金の管理方法預金については、受託者が信託専用の管理口座(信託口口座)を開設し、そこに委託者が信託するお金を入金して、受託者が管理を行うことになります。

受託者である甲野一郎は「甲野父郎名義の預金口座そのもの」を管理するわけではありません。

なぜなら、預金(正確には「預金債権」といいます)には、各金融機関が定める譲渡禁止特約というものが付いているため、家族信託によっても受託者へ譲渡(名義変更)することができないからです。

そのため、預金を信託する場合には、委託者の預金口座そのものではなく、現金として信託をすることになります。

現金を信託する流れ

  1. 委託者(甲野父郎)と、受託者(甲野一郎)が信託契約を結びます。
  2. 受託者(甲野一郎)が、信託専用の管理口座(信託口口座)を開設します。
  3. 委託者(甲野父郎)が、信託契約で定めた金額を、信託口口座に入金します。
  4. 受託者(甲野一郎)が、信託口口座で管理を開始します。

このように、信託口口座で金銭を管理することによって、その後、委託者(甲野父郎)が認知症になったとしても、信託口口座は凍結されることなく、受託者(甲野一郎)が管理を続けることが可能となります。

信託口口座について

信託口口座は、受託者が、委託者から信託された現金を管理するためだけに開設された、信託専用の管理口座です。

そのため、口座名義も、例えば「甲野父郎 信託受託者 甲野一郎」のように、信託のための口座であることがわかる表記となっています。

また、信託口口座は、受託者の固有財産から独立しているため、受託者の個人口座とは異なる取り扱いがなされることとなります。

例えば、信託期間中に受託者が亡くなった場合でも、受託者の相続人全員のハンコなどを必要とせずに、次の受託者へ引き継がせることが可能となります。また、受託者が破産した場合であっても、信託口口座は差し押さえられることはありません。

まとめ

預金については、受託者が信託専用の管理口座(信託口口座)を開設し、そこに委託者が信託するお金を入金して、受託者が管理を行うことになります。

信託口口座で金銭を管理することによって、その後、委託者が認知症になったとしても、信託口口座が凍結されることなく、受託者が管理を続けることが可能となります。

また、信託口口座は、受託者の固有財産から独立しているため、金融機関内部において、受託者の個人口座とは異なる取り扱いがなされます。




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